日々の制作と生活を、思いつくままに描く。札幌在住、美術家。西田卓司のブログ。


by takuji0808

SNOW(1・特徴)

「雪」という素材を考えてみる。

雪まつりのバイトをしたことがあるし、雪のプロジェクトに関わったことがあるので、
まあ、ほかの人よりちょっとは知ってる程度の経験値しかないが、思っていることをかきだしてみる。


<1> 特徴

●雪は色んな意味で扱いずらい素材だ、という前提。

例えば、雪まつりでは、細かな部分、強度が心配な構造となっている部分は芯材を入れ、倒壊を防ぐ。
細い形(槍の柄など)を白く塗った棒でごまかすこともあるくらいである。

確かにスケールで感動させる事業としては、これでいいのかもしれないが、
どうしてもお金を出すHBC、HTB、STV、UHBの意向からキャラクターものになり、
伝統から自衛隊が制作するものは建物が多い、というようになるわけだ。

巨大化したが故、お金とか伝統が絡んでくるし、
雪まつりはとことんエンターテイメントになっていくしかないのかもしれない。

(もちろんいい意味での「伝統」もあり、自衛隊などのパワー、長年培われた技術の伝達は素晴らしいと思う。
 10丁目の消防隊は事実上撤退し、その伝統が失われたのは悲しいことである。)

時間との戦いの中でフォルムの美しさを見せる、というような彫刻的技術が役に立たない。
似てる似てない、大きい、手が込んでるの基準でしか見られない。

また、自然のものなので雪が少ないとわざわざ中山峠から綺麗な雪を運んだり、
暖冬の時などは雨が降ったら半年がかりの労作がパアになったり。

大がかりな、多大な労力をかけながらも、割に合わないというのが本音としてあるとおもう。


●それでも「彫刻の美」と「雪まつりの美」の違いは、面白いと思う。

雪像に適したフォルム、というのもある。
影がつきやすいようにデフォルメするのは雪像特有の形の追い方だとおもう。

(こういうところを突き詰めていけば、彫刻をしている人にとっては結構面白いコンセプトになると思うんだが。)


前述のような雪まつり独特の技術や方法論のなかにもまだまだ面白く発展させたり、
雪に対して新しいアプローチができる可能性があると思う。

それに加えて、雪という素材の特性を生かした美しいものを作れるか
というポイントをクリアできれば新しい、面白いものができるかもしれない。

逆にそのような伝わりにくさを逆手にとって、完全に参加型(ワークショップ)にしてしまうのが
けっこう賢いやり方ではないかなーとも思う。
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by takuji0808 | 2010-01-23 13:42 | つぶやき