日々の制作と生活を、思いつくままに描く。札幌在住、美術家。西田卓司のブログ。


by takuji0808

〆夕イヒ

メタ化とは何かをまとめようかな、と思い書きます。

●メタとは何か。
意味が複雑かつ広いので、すこし整理しときます。

一般的にメタ○○といわれるものは「超」「高次の」という意味です。
ギリシャ語語源で接頭語となります。(ex、dis、preなどと同じ使い方ですね。)

より包括的な、背後の、といった意味もあります。


●広義のメタとは。

何かを取り込んだ何か、何かについての何か、という意味です。
その過程や結果として客観化され、自己言及的であることが特徴ともいえるでしょう。

日記(メモ)を書いて、後にそれを読み返したりして
自己言及するのもメタ化です。


●狭義のメタとは。

ある対象を記述したものがあり、さらにそれを対象として記述するもの。

小説の中の小説(メタ物語)、漫画の中の漫画(メタ漫画)、
理論を解釈するための理論(メタ理論)、自己の認知を認知すること(メタ認知)
などの2重構造(入れ子構造)となっているもの。


●その意味を踏まえ、ざっくりまとめると「メタ」には以下のような種類があります。

①新たなものを作り出す高次なもの

メタ言語など、直接に情報を記述するのではなく、
情報などを記述する言語を作るために開発され、使われるもの。

プログラミングをしやすくするために共通の新しいプログラム(≒言語)を
新しくつくるのをイメージしてもらえればいいかな。


②情報の意味を記述したもの

タグなど、メタデータ(二次的情報)により膨大な情報の中から
知りたい情報を効率よく探し出すためのもの。

ニコニコ動画のタグをイメージすればわかりやすい。


③相対的な上下関係(階層関係)を示したもの

<※これはちょっと難しいんだよね。言葉にするの・・・>

相対的にみると「メタ化する構造」ということ自体がメタ化して、メタメタメタ・・・と
無限に続いていくことが可能になる。<ほらもう難しいでしょ>

そして自己言及は循環するので、さらに高次元の階層からしか
そこが正しいかどうかを判断できなく、そうでないとパラドックスが発生してしまう。
<ね、どんどん難しいでしょ>

メタ化=高次化なら、その階層、高次か低次かの
構造自体が相対化されていくということです。
<ね、よくわからないでしょ?>


④自分自身に関して考え・意見を述べること

思考や知識において、メタ認知など自己言及的な過程のこと。
メタ化された情報や思考、知識を用い新たなアイデアを作ることができる。

※メタ認知の例:
メモや日記(一時的な知識)
 →時間を置きチェック作業、新たな視点の追加
  →更に時間をおいて整理、結合、抽象化する


●結局メタ化ってなに?

言語学、フィクション(小説、虚構)、Webなどのコンテンツ、
アート、映画、文学などさまざまなものにはそれを成立させるための
前提や定義、体系、構造があるわけです。

メタ化とはそのような中で、「枠組み」自体を思考の対象とし、
新たな提案をすることによって、いちばん外側の「枠組み」を相対化(客観化)
すること
が目的だと解釈します。

メタ化はいくつも重なり、作品の構造は多重化していく。
クリエーターがやっているのは、パロディのパロディのリミックスなのだ、
ということを認知することが大事な気がする。
(もちろん全ての作品がメタ化する必要もない。)


例えば
主人公は設定としてメタキャラクターであり、小説家であり、物語のなかに物語
があり、最後は夢オチで、それがアニメ化され、ニコニコ動画でMADになるとして―

そこで行われているのは作品のメタ化の無限ループです。
文化の文脈を辿れば、さらに何重にもメタ化が可能だ。

抽象化には単純な「過去の作品の影響」や「ネタ的なパロディ」も含まれるので、
判断は難しいことも考慮しなくてはいけない。

アートもそれを表面上にださなくとも、メタファー(隠喩)として、
自虐的に表現せざるを得ない。

またどこまでメタ化した構造を視覚化(認知)できるかは
ジャンルにより限界があるだろう。

<話しは変わるが、自分の過去の作品に「超アート」と描いた絵があった。
 当時無邪気な感覚で描いたとしても、その偶然は面白い。>

●メタ化には大きく2つの役割がある。

・疑似的な構造を可視化し二重構造にすることで、
 鑑賞者にその構造を意識させること。

・新たに疑似的な構造(ルールや仕組み)を提案することで
外側の構造(ルールや仕組み)に揺さぶりをかけること。


作品は、構造を解体した後、様々なメタ化された文脈を研ぎ澄まし(抽象化し)
、それら構造のパーツ(ストーリーやキャラクターなど)が進化を遂げ、過剰か
つ絶妙なバランス成り立っていく。

自分個人の制作に関しては、構造に対してアプローチすることを繰り返し、西洋
美術のパロディのパロディと、ステレオタイプな個人的リアリティを自虐的に、
それでもやるしかない衝動をパワー源にして、圧を加えていけば、何が起こるの
かを見てみたいのかもしれない。

とりあえずおしまい。

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(あれ山本さんの絵みたいな画像になっちゃった。)
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by takuji0808 | 2010-08-09 09:44