日々の制作と生活を、思いつくままに描く。札幌在住、美術家。西田卓司のブログ。


by takuji0808

<1>「失われたタブロー」というタイトル

「失われたタブロー」というタイトル

実はこのタイトルで引っ張る気は正直なかった。

タイトル自体すごく挑戦的だし、コンセプトを突っつかれそうだし、
よくわかってないとダメだしをされそうな危ない感じだし。

もともと宇宙飛行士の有名な画像をモチーフにした際に
思いついたタイトルなんです。

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<参考>「失われたタブロー」2008

モチーフが有名な画像ですので、そういう「画像そのもの」の意味が強くなったり
弱くなったり変わっていくのか、本質的には実は何も変わってないんじゃないか、とか
画像(イメージ)が2次的、3次的にコピーされることや、
流通することが気になっていた時期でした。

つまり最初はそういう作品の表面上の、使っているモチーフ(宇宙飛行士)
を意味するタイトルでした。


タイトルのアイデアが出たときは無意識だったんだと思いますが、
作品の構造にも当てはまるものではないか、ということに後で気づきました。

簡単にいうと「アンチ絵画」なタイトルですもんね。
<そりゃいろいろ言われるわ。>

わかってるんですけど、このタイトルでなきゃいけない理由があるんだと思います。


ひとつは自爆、自虐、開き直りのネタとしての理由。

失われたタブロー(絵画なんて終わってるゼ!)なんていっても、
自分がやってるのは形としてはどうやっても絵画ですし、
絵画という呪いをかけられているのも感じている。

だからもうタイトルに「花瓶と花の絵画」というタイトルを
つけるしかないような気分なのだと思います。

そしてもうひとつ理由があります。

自分は平面作品いくつかのシリーズにしてフラフラと定まらずに描いています。
(もちろん共通するものもあるし、しないものもあるけれど。)

この<「失われたタブロー」シリーズ>は自分の
平面作品のシリーズのなかでも4番バッターだと思っています。

初めて本当に納得できた作品ですから愛着もあります。
制作プロセスも、基本的な考え方も前述の2008年よりほぼ変化していません。

作品を並べて見たとき、やはりその2008年の作品の子供なんだな―、と感じていて、
ですから、タイトル自体が苗字みたいなものだと思うんです。

あとは、このタイトルが自分の制作の目的、その構造を
言い当てているような気もしているからです。

まあ、タイトルに関してはこの辺で。

つづく

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by takuji0808 | 2010-08-24 07:39 | 作品解説2010