日々の制作と生活を、思いつくままに描く。札幌在住、美術家。西田卓司のブログ。


by takuji0808

藤本和彦個展・500m美術館の感想

藤本さんの作品を見ていて常々思っていたことがまとまったので書いておく。

大学生のころ、何かのグループ展があり、(それに大学の先輩が混じっていたりしていて)3~40歳代作家や更に上の世代が載った展覧会の図録などを、パラパラとめくると、藤本さんの作品のページで何か気になって、手が止まったことを思いだす。

何か自分との共通点を見いだしていたのもある。それは単純にホームセンター的要素、構築性などだと思う。そういうごくごく個人的なこと以外に、いわゆる〈時代性〉や〈世代〉として、共有できる感覚があって、それがなんなのかが言語化できなかったが、今回オープニングで話を聞いて腑にいったので書き記しておく。

それは簡単に言うとニヒリズムだ。生きていく意味や目的を失った中でも達観して生きていかなくてはいけない時代を自認している状態とでもいうか。自意識(近代的自我)と距離を置き、古来日本の神(的なもの、あるいは生命)に回帰することを逆説的に、自虐的に表現せざるを得ない立ち位置で作品に向かうことを感じた。しかし、もちろん丸山先生世代の彫刻に対する姿勢がしっかりあるし、純粋に何か(日本的な神、美術など)を信じているのはわかるし、モダニズムの潮流で言えば、「もの派」のアップデートした感覚も感じる。

ホームセンターで購入可能なもの(しかも非常にベタな素材)を、過去の記憶や個人的な事柄に「見立て」をする行為は、現代日本人の(しかもかなり若い)感覚を体現している気がする。


500メートル美術館も観たのでついでに感想。

個人的には小林麻美さん、國松希根太さんの作品が良かった。

美術の純粋な部分を信じて、やれる範囲で誠実に向き合っているのが、見ていて気持ちいい。
中途半端な自意識しかない市民や若手アーティスト作品と同列に公共の場に並べられるときに、自身の美学や信念を純粋な形で出しているかどうかは観られてしまうんだなあ。


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CAI02企画展 藤本和彦個展「ヨリシロ/洞窟のフォークロア」
会期 2010年12月11日(土)~12月24日(金)  日祝休
時間 13:00~23:00
会場 CAI02 raum1 札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB2(地下鉄大通駅1番出口)
オープニングレセプション 12月11日(土)19:30~22:00
主催:CAI現代芸術研究所
http://www.cai-net.jp/index.html
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by takuji0808 | 2010-12-12 12:18 | 展覧会感想