日々の制作と生活を、思いつくままに描く。札幌在住、美術家。西田卓司のブログ。


by takuji0808

ゴッホ「一緒に暮らそう」ゴーギャン「えっ」②

<行間>

親愛なるゴーギャンへ

芽吹く春の訪れ、心躍る季節がやってきた。
私は今、アルルの安いホテルの一室でこの手紙を書いている。

アルルは素晴らしいところだ!!
パリの喧騒に比べると、なんて穏やかで、鮮やかで、満ち足りていることか。

君の病気のことも聞いた。
アルルはこれから、よりすごしやすい季節がやってくるだろう。

良い家を見つけたんだ。制作するのには、十分な広さがある。
君のための椅子も用意したよ。余計なことかもしれないがね。

僕はここに来てからもう何枚もの絵を描いている。
カンバスを貼っても貼っても、足りないくらいだ。

また手紙を書くよ。

ヴィンセント・ファン・ゴッホ より

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親愛なるゴーギャンへ

アルルは緑が萌え、差しこむ太陽が美しい。もう夏だ。
「黄色い家」と名付けたアトリエは、慣れてしまえば快適な毎日だ。

虫の声も川のせせらぎも草の匂いも、教会のステンドグラスの前に立っているように、心が満たされていく。

アルルでは何枚も絵を描いたよ。
そのうちの1枚は、君のために、アトリエに飾っておくつもりだ。

こうやって過ごしていると以前パリで見た、日本の浮世絵を思い出すんだ。
もしかしたら、日本もこんなところじゃないかって思う。

君が来るのを待っている。

ヴィンセント・ファン・ゴッホ より

  ■

親愛なるゴッホへ

すまなかったが、やっと都合がついたよ。

10月中旬か後半に行けそうだ。
君の心をありがたく受けよう。

細かい取り決めは、直接会って話したほうがいいね。
君との生活を楽しみにしている。

ポール・ゴーギャン より


続く
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by takuji0808 | 2010-12-25 12:45 | SS