日々の制作と生活を、思いつくままに描く。札幌在住、美術家。西田卓司のブログ。


by takuji0808

ゴッホ「一緒に暮らそう」ゴーギャン「えっ」⑦

<11月某日 アルル>

ゴーギャン「~♪」

ゴッホ「あ」

ゴーギャン「? どうした?」

ゴッホ「シャツに絵の具がついた」

ゴーギャン「ははっ」

ゴッホ「くそ、お気に入りだったのに」

ゴーギャン「それを言ったら、僕の服には必ずどこかに絵の具が付いているよ」

ゴッホ「それは僕もそうだけどさ このシャツはついていなかったんだ」

ゴーギャン「乾かないうちにもみ洗いするしかないんじゃないか」

ゴッホ「そうだな…」スタスタ ジャプジャプ

ゴーギャン「……」

ゴッホ「ああっ!…」

ゴーギャン「今度は何だあ?」

ゴッホ「絵の具が広がって、汚れが大きくなってしまった…」

ゴーギャン「…あきらめるんだね」

ゴッホ「くそぅ」

c0211701_11105375.jpg




ゴッホ「おい」

ゴーギャン「ん?」

ゴッホ「ちゃんと食い終わったら皿を洗ってくれよ」

ゴーギャン「ああ、悪い やろうと思ってたんだけど」

カチャカチャ ジャプジャプ

ゴッホ「……そういや、酒をもらったんだ」

ゴーギャン「いいねえ」

ゴッホ「なんかつまみはないかな」

ゴーギャン「確か干し肉が残ってなかったか?」

ゴッホ「えーっと… あ、この前食っちゃったんじゃないか?」

ゴーギャン「ああそうだっけ」

ゴッホ「他になんか--」ガチャガチャ

ゴーギャン「お、モチーフの果物があったんじゃないか?」

ゴッホ「ああ、見てくるよ」

ゴーギャン「……」ジャプジャプ

ゴッホ「あー…」

ゴーギャン「ん どうした?」

ゴッホ「裏側が腐ってしまっていたよ」

ゴーギャン「ドライフルーツになればよかったのにな」

ゴッホ「まあ、食える部分もあるかな…? 切ってみるよ」

ゴーギャン「まあ 無くてもいいさ」

  ■

ゴク ゴク

ゴッホ「ぷう」

ゴーギャン「ほれ」

ゴッホ「ありがとう」

トクトク

ゴーギャン「だいぶ寒くなってきたな」

ゴッホ「まあな」

ゴーギャン「君は好きそうだけどな」

ゴッホ「…寒いのがかい?」

ゴーギャン「いや、季節だよ」

ゴッホ「…ああ 色か?」

ゴーギャン「ああ」

ゴッホ「まあな 君だって好きだろ?」

ゴーギャン「もちろんだよ でも君ほどではない」

ゴッホ「そうだろうか」

ゴーギャン「アルルに来てから、色がずいぶん変ったね」

ゴッホ「そうだね 太陽のせいだとおもう」

ゴーギャン「それだけでなくて、思考方法も変わったんじゃない?」

ゴッホ「わからないな 目の前の1枚で精いっぱいさ」

ゴーギャン「それは君のいいところでもあるし、悪いところでもあるね」

ゴッホ「そうかな」

ゴーギャン「大きな作品を、時間のかけて描くのに興味はあるかい?」

ゴッホ「うーん… あるけど、今はいいかな」

ゴーギャン「頑固だねえ」

ゴッホ「君だってそうだろ」


続く
[PR]
by takuji0808 | 2010-12-27 11:11 | SS