山本雄基個展「グレーゾーンが踊っている」感想
2011年 05月 02日
今回の山本さんの展示は、妙に喫茶空間にフィットしているなーという印象だった。
■
山本雄基 個展 『グレーゾーンが踊っている』
4月1日(金)~4月30日(土)
11:00~17:30(LO 17:00)
六花亭福住店 2階喫茶室(飲食店内での展示)
■
HP
http://www.geocities.jp/yamamotopaintings/
BLOG
http://blog.livedoor.jp/route16turbo/
もともとあの空間自体がおしゃれなのが、作品によって格上げされていて、「絵を置く」ことのニーズにしっかりと応えている。その分、作品の批評、感想が出ずらいことになってしまった気がする。しかしこれはもう消費のされ方の問題なので、作家がどうこうできる問題でもないし、山本さんの興味はそこにはないはずだから割り切っていくしかないんだろう。
それは逆にいえば、ギャラリーのような守られた空間ではなく、CAI02のコンクリート壁など、どんなところに置いても絵は絵として見れる強度を持っている証拠でもある。そのレベルが高いからこそ、考えなくてはいけないことが色々出てくるのだとおもう。
作品に関しては、メインの6色の「ももいろクローバーセット」(命名・K坂)が良くなくて気になる。
<あくまでも参考>
フィニッシュワーク、精度は非常に高いのに、なんでそうなってしまったのか。
おそらく、普通にギャラリーのような空間に並べて置いたとしてもなかなかピンとこない作品になっただろう。まあカラーチャートのような展示(本人いわくデミアンハースト)を試したかったというだけなのかもしれないが、そういう皮肉めいたことを作品の要素として取り入れると、直球に捉えられてしまう危険がある、ということだろう。
山本さんの作品の面白さは「絵画とは何か」をとことん直球勝負で行うことで批評性、社会に対しての皮肉めいた視点、絵画に対する懐疑的な視点を獲得していることなのだから、そこでこのような展示をやっては、ぐるっと回って元通り(直球)になってしまうんではないだろうか。
そこらへんの展示の狙いが宙ぶらりんになってしまった、ということなのだと思う。
一方で山本さんの作品スタイルは、色やニュアンスは無尽蔵にパターンを生産できるスタイルなのだから、このような展示もしてみたかった、というのも納得できる。だから、今後も色数を増やして増産すればいいんじゃないだろーか。
ともかく、山本さんの作品は、極端な大きさでいい気がする。
変に場所に合わせて逆算し絵のサイズを決めるより、小さくて良い作品をたくさん作ったほうが絶対売れると思うんだけどなあ。
絵画のニーズに対する返答、空間に対して画家として調和と異化のバランスを取りながら、どう応えるべきか、などを考えさせられる展示だった。
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山本雄基 個展 『グレーゾーンが踊っている』
4月1日(金)~4月30日(土)
11:00~17:30(LO 17:00)
六花亭福住店 2階喫茶室(飲食店内での展示)
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HP
http://www.geocities.jp/yamamotopaintings/
BLOG
http://blog.livedoor.jp/route16turbo/
もともとあの空間自体がおしゃれなのが、作品によって格上げされていて、「絵を置く」ことのニーズにしっかりと応えている。その分、作品の批評、感想が出ずらいことになってしまった気がする。しかしこれはもう消費のされ方の問題なので、作家がどうこうできる問題でもないし、山本さんの興味はそこにはないはずだから割り切っていくしかないんだろう。
それは逆にいえば、ギャラリーのような守られた空間ではなく、CAI02のコンクリート壁など、どんなところに置いても絵は絵として見れる強度を持っている証拠でもある。そのレベルが高いからこそ、考えなくてはいけないことが色々出てくるのだとおもう。
作品に関しては、メインの6色の「ももいろクローバーセット」(命名・K坂)が良くなくて気になる。
フィニッシュワーク、精度は非常に高いのに、なんでそうなってしまったのか。
おそらく、普通にギャラリーのような空間に並べて置いたとしてもなかなかピンとこない作品になっただろう。まあカラーチャートのような展示(本人いわくデミアンハースト)を試したかったというだけなのかもしれないが、そういう皮肉めいたことを作品の要素として取り入れると、直球に捉えられてしまう危険がある、ということだろう。
山本さんの作品の面白さは「絵画とは何か」をとことん直球勝負で行うことで批評性、社会に対しての皮肉めいた視点、絵画に対する懐疑的な視点を獲得していることなのだから、そこでこのような展示をやっては、ぐるっと回って元通り(直球)になってしまうんではないだろうか。
そこらへんの展示の狙いが宙ぶらりんになってしまった、ということなのだと思う。
一方で山本さんの作品スタイルは、色やニュアンスは無尽蔵にパターンを生産できるスタイルなのだから、このような展示もしてみたかった、というのも納得できる。だから、今後も色数を増やして増産すればいいんじゃないだろーか。
ともかく、山本さんの作品は、極端な大きさでいい気がする。
変に場所に合わせて逆算し絵のサイズを決めるより、小さくて良い作品をたくさん作ったほうが絶対売れると思うんだけどなあ。
絵画のニーズに対する返答、空間に対して画家として調和と異化のバランスを取りながら、どう応えるべきか、などを考えさせられる展示だった。
by takuji0808
| 2011-05-02 16:50
| 展覧会感想