「絵画の場合ー最終章ー」感想<B>
2012年 04月 18日
さて、続きです。
<ギャラリーB (3階)>
●小林麻美
メタ鑑賞構造絵画。絵の中の物語がループしている合わせ鏡のような印象。
個人個人の小さな物語を語るだけではなく、それをどのようなレイヤーで、構造で、もっと言えば「構図」と「空間作り」で見せるかに、今展示で最も意識が強い作家かもしれない。複雑な入れ子構造を、膜1枚通すことであえて単純にして(芯を通して)絵画にしているのは、実は結構すごい発明だとおもう。
絵の構造が強調されているのは、樽前artyや乙姫の展示よりすっきりしているからだろう。変な展示をしたがる(絵の外の構造にも気持ちが引きづられてしまう)のは小林さんの性癖みたいなものだったのかもしれない。
例えるなら、生春巻き。
●西田卓司
*省略 誰か書いてください
●末次弘明
問題意識としてはかなりシンプルで、アプローチは笠見さんと似ている。メンバーのなかでは、ちょうど中堅の世代。
展示中に、作品の高さで絵の印象が全く変わっていたのが記憶に残っている。形態や色彩、思考などさまざまな要素がプレーンな絵だとおもう。形や色彩、モチーフなどがどこから来たのか読みづらいのもそう感じる一因なのかも。そういう意味では、展示中、一番自由さを持った絵画だったのかもしれない。自分の立ち位置を読むことや、制作と距離感、作品のドライな感じは共感できる部分が多いが、同時に読む解けない部分もあってそれは微妙なジェネレーションギャップなのか、地域差なのかはよくわからない。
例えるなら、ポタージュスープ。
●大井敏恭
一番年代が離れている大井さんと自分の絵が似ているのが面白かった。構造やレイヤーに頼らずに強い絵画を描けているのが改めて凄いと思う。
若手は世代的な共感ではなく、カリフォルニアの地域的な感覚に共感している可能性もあるのかもしれない。(グローカルの輸入時間差ってあるかもしれないな。)
郊外的な感覚(中央に対するコンプレックス・疎外感・時代に対する焦燥感)っていうのは別に固有のものではなく、むしろ主流であり、モダンなものだとしたら、大井さんの作品はその問題(ローカルな絵画こそ実は主流であること)を真っ向から引き受けている作品だろう。
例えるなら、郊外一軒屋レストランのランチプレート。
●林亨
正直にいうと、林さんの作品が一番感想を書きにくい。とっかかりが少ないように思えるし、とっかかりがありすぎて何から言えばいいのかとも言える。(もちろんそれは善し悪しではないです、自分のセンサーに引っかからないだけかもしれないし。)そこに末次さんのプレーンさとも似ているのだけど、また違う林さんのスタンスが見え隠れしている気がする。
レイヤー構造にも見えるし、具象画にも見えるし、森林はドライにもウェットにも見えるし…というようなことの考えが行ったり来たりしてしまうのだ。
例えるなら、温野菜サラダ
●谷口明志
空間に対する線、支持体に対する線というシンプルなコンセプトの作品。このシンプルさは、下手に環境やら構造やら絵画史を考えてしまうことに対して有無を言わさない強みがある。
リキテンシュタインの筆跡絵画や、アンディ・ゴルズワージーとの比較で、より面白くなる作品だとも思う。
例えるなら、もりそば。
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全体を通しての感想は、内部からだと展示や運営のことなど含め、客観的に論じれない部分が多いのでしません。とりあえず、おしまーい。
<ギャラリーB (3階)>
●小林麻美
メタ鑑賞構造絵画。絵の中の物語がループしている合わせ鏡のような印象。
個人個人の小さな物語を語るだけではなく、それをどのようなレイヤーで、構造で、もっと言えば「構図」と「空間作り」で見せるかに、今展示で最も意識が強い作家かもしれない。複雑な入れ子構造を、膜1枚通すことであえて単純にして(芯を通して)絵画にしているのは、実は結構すごい発明だとおもう。
絵の構造が強調されているのは、樽前artyや乙姫の展示よりすっきりしているからだろう。変な展示をしたがる(絵の外の構造にも気持ちが引きづられてしまう)のは小林さんの性癖みたいなものだったのかもしれない。
例えるなら、生春巻き。
●西田卓司
*省略 誰か書いてください
●末次弘明
問題意識としてはかなりシンプルで、アプローチは笠見さんと似ている。メンバーのなかでは、ちょうど中堅の世代。
展示中に、作品の高さで絵の印象が全く変わっていたのが記憶に残っている。形態や色彩、思考などさまざまな要素がプレーンな絵だとおもう。形や色彩、モチーフなどがどこから来たのか読みづらいのもそう感じる一因なのかも。そういう意味では、展示中、一番自由さを持った絵画だったのかもしれない。自分の立ち位置を読むことや、制作と距離感、作品のドライな感じは共感できる部分が多いが、同時に読む解けない部分もあってそれは微妙なジェネレーションギャップなのか、地域差なのかはよくわからない。
例えるなら、ポタージュスープ。
●大井敏恭
一番年代が離れている大井さんと自分の絵が似ているのが面白かった。構造やレイヤーに頼らずに強い絵画を描けているのが改めて凄いと思う。
若手は世代的な共感ではなく、カリフォルニアの地域的な感覚に共感している可能性もあるのかもしれない。(グローカルの輸入時間差ってあるかもしれないな。)
郊外的な感覚(中央に対するコンプレックス・疎外感・時代に対する焦燥感)っていうのは別に固有のものではなく、むしろ主流であり、モダンなものだとしたら、大井さんの作品はその問題(ローカルな絵画こそ実は主流であること)を真っ向から引き受けている作品だろう。
例えるなら、郊外一軒屋レストランのランチプレート。
●林亨
正直にいうと、林さんの作品が一番感想を書きにくい。とっかかりが少ないように思えるし、とっかかりがありすぎて何から言えばいいのかとも言える。(もちろんそれは善し悪しではないです、自分のセンサーに引っかからないだけかもしれないし。)そこに末次さんのプレーンさとも似ているのだけど、また違う林さんのスタンスが見え隠れしている気がする。
レイヤー構造にも見えるし、具象画にも見えるし、森林はドライにもウェットにも見えるし…というようなことの考えが行ったり来たりしてしまうのだ。
例えるなら、温野菜サラダ
●谷口明志
空間に対する線、支持体に対する線というシンプルなコンセプトの作品。このシンプルさは、下手に環境やら構造やら絵画史を考えてしまうことに対して有無を言わさない強みがある。
リキテンシュタインの筆跡絵画や、アンディ・ゴルズワージーとの比較で、より面白くなる作品だとも思う。
例えるなら、もりそば。
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全体を通しての感想は、内部からだと展示や運営のことなど含め、客観的に論じれない部分が多いのでしません。とりあえず、おしまーい。
by takuji0808
| 2012-04-18 16:55
| 展覧会感想