石倉 美萌菜 個展 「さぁ この先どうしよっか」感想
2012年 10月 28日
若さ故の衝動や、分かりやすい一発芸のような作風を作家に求めてはいけないーーー…
なぜなら作家は制作を続けていくために「若さゆえの甘え」や「居心地の良い場所」を超えて、作品を進化させたり、通すべき筋(=一生のテーマ)を模索し、世間の求めるものを迎合せず、天の邪鬼に生きていくことで、アーティストたるべき道を獲得していくのだから。
石倉さんの作品を「若い女の子の悩み」や「ネガティブな現代人」という形にはめ込み、その文脈で作品を読み解くことは、作品の前で思考停止しているのと同じことだ。
鑑賞者が共感するべきは、「斜に構えているが勇気の無さに嘆いている現状そのもの」であって、それが一番のリアリティだと自分は感じる。
それは言い換えると、インディーズ(あるいはローカルなコミュニティ)でしか通用しない荒削りを超えて、メジャーな文脈に通用する分かりやすさと強さをどう獲得していくかということだろう。そして作家もそれを当然わかっていて、次のフェーズに移行しようと藻掻いている痕跡が見え隠れする。
絵画作品では、以前近代美術館で行われた「札幌ビエンナーレ・プレ企画2011 美術館が消える9日間」で展示された「ポジティブ君」を再度展示していたのだが、細部の描き込みを加えたことによって余計なノイズな減り、以前よりスッとイメージが入ってきた。ここら辺の誠実さは、作家を信用することができる大切な要素だ。
コンセプチュアルな小さめの作品は、身近なリアルをユーモラスな視点で読み替える脱力系の作品だけど、そこかしらに毒が仕込んであるような印象だった。
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石倉 美萌菜 個展
「さぁ この先どうしよっか」
会期:10.6.sat ー 10.27.sat 日曜祝日休み
会場:CAI02
住所:札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB2
(地下鉄大通駅西1番出口直結/昭和ビルB1の飲食街一番南側の階段、自動扉を出てB2への階段があります。そこからしかB2へは降りる事ができません)
TEL:011-802-6438
主催:CAI現代芸術研究所/CAI開廊5周年企画 第2弾
http://www.cai-net.jp/
なぜなら作家は制作を続けていくために「若さゆえの甘え」や「居心地の良い場所」を超えて、作品を進化させたり、通すべき筋(=一生のテーマ)を模索し、世間の求めるものを迎合せず、天の邪鬼に生きていくことで、アーティストたるべき道を獲得していくのだから。
石倉さんの作品を「若い女の子の悩み」や「ネガティブな現代人」という形にはめ込み、その文脈で作品を読み解くことは、作品の前で思考停止しているのと同じことだ。
鑑賞者が共感するべきは、「斜に構えているが勇気の無さに嘆いている現状そのもの」であって、それが一番のリアリティだと自分は感じる。
それは言い換えると、インディーズ(あるいはローカルなコミュニティ)でしか通用しない荒削りを超えて、メジャーな文脈に通用する分かりやすさと強さをどう獲得していくかということだろう。そして作家もそれを当然わかっていて、次のフェーズに移行しようと藻掻いている痕跡が見え隠れする。
絵画作品では、以前近代美術館で行われた「札幌ビエンナーレ・プレ企画2011 美術館が消える9日間」で展示された「ポジティブ君」を再度展示していたのだが、細部の描き込みを加えたことによって余計なノイズな減り、以前よりスッとイメージが入ってきた。ここら辺の誠実さは、作家を信用することができる大切な要素だ。
コンセプチュアルな小さめの作品は、身近なリアルをユーモラスな視点で読み替える脱力系の作品だけど、そこかしらに毒が仕込んであるような印象だった。
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石倉 美萌菜 個展
「さぁ この先どうしよっか」
会期:10.6.sat ー 10.27.sat 日曜祝日休み
会場:CAI02
住所:札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB2
(地下鉄大通駅西1番出口直結/昭和ビルB1の飲食街一番南側の階段、自動扉を出てB2への階段があります。そこからしかB2へは降りる事ができません)
TEL:011-802-6438
主催:CAI現代芸術研究所/CAI開廊5周年企画 第2弾
http://www.cai-net.jp/
by takuji0808
| 2012-10-28 23:38
| 展覧会感想