日々の制作と生活を、思いつくままに描く。札幌在住、美術家。西田卓司のブログ。


by takuji0808

カテゴリ:展覧会感想( 37 )

サッポロアートシンクロニシティ2

「院生展2011」

全体的におとなしめで、よく見たら女子だけだった。男女比もここまで来たか。
高橋あおばさんの作品(DMの作品)が良かった。

学生の間にする「挑戦」がどのくらい将来の作品に影響を与えるのかはわからないけど、保守的に、あるいは閉鎖的に、精神安定剤のような作品を作っているより、どこかいびつな人間臭さと、カッコつけた荒削りの作品のほうが好感を持てるのはおれだけだろうか。

作品はパステル調が多くて時計台ギャラリーにいるおばちゃんがたの髪のほうがカラフル。


「高橋喜代史 展」

作品の仕上げの問題を考える。
スタイリッシュにするより、泥臭い物量勝負のほうが作風にフィットしそうなので、明和電機とかヤノベケンジみたいな町工場アーティストの作品の結構重要なニュアンスである、「DIYがプロフェッショナルになった感」、「プロジェクトⅩ的な昭和生まれの職人的要素」が前に出てきても面白いかもしれないなあ、なんて思う。

「山本雄基 個展」

チームYamamotoで搬入手伝い。
階段上吹き抜けにでかい作品もあり、気合い十分な展示。
(しかし搬入当日本人は徹夜でヘロヘロだった。)

イレギュラーな場所での展示では、やっぱり相当の準備と手際と対応力が必要な事を実感する。

想像力プラス経験で場数をこなすしかないのかな。

喫茶店の壁の質感がものすごくいい(つやなしフラット)なので、作品の質感とジャストフィット。
表面処理がより堅牢になっているのと、わざとらしくキャッチーな色合いの作品とそうじゃない作品が入り混じっていて、そこらへんの空間に対しての異化と調和はお客さんが入った状態で見ないと判断付かない気がする。

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以下、会期

北海道教育大学 大学院「院生展2011」

北海道教育大学岩見沢校美術コースの大学院生である
桑原みなみ、久保亜紀子、大門愛、高橋あおば、満枝恵理、桂下いづみ
による展覧会

期間: 2011年3月28日(月)~4月2日(土)
時間: 10:00~18:00(最終日は17:00まで)
場所: 札幌時計台ギャラリー
    (札幌市中央区北1条西3丁目 札幌時計台文化会館2F C室)


山本雄基 個展 『グレーゾーンが踊っている』
 
期間: 4月1日(金)~4月30日(土)
時間: 11:00~17:30(LO 17:00)
場所: 六花亭福住店 2階喫茶室(飲食店内での展示です)
住所: 北海道札幌市豊平区福住2条5丁目1(地下鉄東豊線 福住駅より徒歩10分)
企画: 六花ファイル


高橋喜代史 展

期間: 2011年3月4日(金)~5月13日(金)
時間: 平日9時~17時 (土日祝日 閉館)
場所: 北海道文化財団アートスペース・アルテポルト
     (北海道札幌市中央区大通西5丁目11 大五ビルヂング 3階)
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by takuji0808 | 2011-04-01 23:09 | 展覧会感想
サッポロアートシンクロニシティ!

ここ最近行われている札幌での活発なアートの動きや現象をまとめて、こう名付けます。
(発案:自分)

そのなかで行われている展覧会の感想です。


「サッポロ未来展」

作品ひとつひとつに見応えはあるし、(自分が絵画好きっていうのもあるけど)
近美をああいう仕切り方をして魅せる展示方法は良かった。
現代美術から公募展的なスタンスで作っている人が入り混じっているのは確かに「サッポロ」のリアルだ。

札幌で作家をたくさん集めて団体展をする場合、そのキュレーションはジャンルや世代で区切る他は、幕の内弁当のように、あるいはパーティーの仕出し弁当のように雑多としたものを区切っていくしか方法がないから、まあこれはこれでいいんだろうなーっていつも思う。

まあサーカスっていうくくり方は横浜トリエンナーレを想起させるし、テーマとしては一昔前って感じがしてちょっとダサいけど、だれもそこは突っ込まないんだね。

自分はピクサーアニメがここ最近おもしろく感じていて、それはなんでかというと、古典的でスタンダードなテーマを扱いつつ、コペルニクス的転回によってその「テーマ」をアップデートさせているからだと思っている。

だからサーカスでもなんでもいいんだけど、単なる枠組みの名称ではなくて、そのテーマをアップデートさせる(意味を拡張させるような)ことが今後必要になるんじゃないかな。


「BEGINNING」

また違うパッケージング。

場との関係とか、アーティストが集まったときの熱量のようなもの(祝祭、グルーヴ感)を考えさせられた。

「ここではなにか面白そうなことが起こっていそう」って感じ。
これって世代や場所の恩恵なんだろうな。

そうなると作品がビジュアルだけ上滑りしていって、じっくり、しっとりと鑑賞するというより、ウィンドーショッピングのように、その雰囲気の中で流し観る方が正しいようにも思えてしまう。まああの場所でやるならそれが正解なんだろう。

とはいっても、じっくり観ても楽しめる作品も多かった。
こういうの観ると自分の作品がいかに中途半端な扱いづらいことをやっているかがわかる。
(自戒を込めて・・・)

中途半端な現代美術かぶれな作品って強度が無い(作品の構造が弱い)んだけど、この場ではそういうのはなかった。作家は一人一人ちゃんと場に対して向き合っていて好印象。

あとは厨二病を否定するようなスタイリッシュさがここでいう「作品」なのかも、なんて思ったり。

個人的な作品の好みの話になるのだけど、スタイリッシュばっかりじゃ胸焼けするから、どっかで泥臭さや不器用さ、極端なフェチズムが隠し味になっているのがいいバランスの作品なんじゃないかと思っている。そういう意味では、もっとウィットな(お馬鹿でキャッチーな)作品があっても良かったんじゃないかなあと思う。

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by takuji0808 | 2011-03-25 20:57 | 展覧会感想
藤本さんの作品を見ていて常々思っていたことがまとまったので書いておく。

大学生のころ、何かのグループ展があり、(それに大学の先輩が混じっていたりしていて)3~40歳代作家や更に上の世代が載った展覧会の図録などを、パラパラとめくると、藤本さんの作品のページで何か気になって、手が止まったことを思いだす。

何か自分との共通点を見いだしていたのもある。それは単純にホームセンター的要素、構築性などだと思う。そういうごくごく個人的なこと以外に、いわゆる〈時代性〉や〈世代〉として、共有できる感覚があって、それがなんなのかが言語化できなかったが、今回オープニングで話を聞いて腑にいったので書き記しておく。

それは簡単に言うとニヒリズムだ。生きていく意味や目的を失った中でも達観して生きていかなくてはいけない時代を自認している状態とでもいうか。自意識(近代的自我)と距離を置き、古来日本の神(的なもの、あるいは生命)に回帰することを逆説的に、自虐的に表現せざるを得ない立ち位置で作品に向かうことを感じた。しかし、もちろん丸山先生世代の彫刻に対する姿勢がしっかりあるし、純粋に何か(日本的な神、美術など)を信じているのはわかるし、モダニズムの潮流で言えば、「もの派」のアップデートした感覚も感じる。

ホームセンターで購入可能なもの(しかも非常にベタな素材)を、過去の記憶や個人的な事柄に「見立て」をする行為は、現代日本人の(しかもかなり若い)感覚を体現している気がする。


500メートル美術館も観たのでついでに感想。

個人的には小林麻美さん、國松希根太さんの作品が良かった。

美術の純粋な部分を信じて、やれる範囲で誠実に向き合っているのが、見ていて気持ちいい。
中途半端な自意識しかない市民や若手アーティスト作品と同列に公共の場に並べられるときに、自身の美学や信念を純粋な形で出しているかどうかは観られてしまうんだなあ。


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CAI02企画展 藤本和彦個展「ヨリシロ/洞窟のフォークロア」
会期 2010年12月11日(土)~12月24日(金)  日祝休
時間 13:00~23:00
会場 CAI02 raum1 札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB2(地下鉄大通駅1番出口)
オープニングレセプション 12月11日(土)19:30~22:00
主催:CAI現代芸術研究所
http://www.cai-net.jp/index.html
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by takuji0808 | 2010-12-12 12:18 | 展覧会感想
「ウルトラマンアート」を見て、自分のサブカル(特撮)の原点は
一体どこにあるのか、なんてことをぼんやりと考えた。

基本的には、そんなに完璧にすべて見たり、記憶がはっきりしているわけではない。
また小学校から中学校までは野球をしていたので、夕方や朝にTVをみることが
出来なくなったので、漫画を読んだりが多くなった。

   ■

ウルトラマンに関して、ほぼリアルタイムで見た記憶がないので
気になって調べてみると、1980年代から1990年代中ごろまでは
TVシリーズは長期休止期間であり映画やビデオでのみの展開であった。
(ウルトラマンUSA、G、パワード、ゼアスなど…)

96年から99年にかけて『ウルトラマン80』から16年ぶりに復活した俗に言う
「平成ウルトラシリーズ3部作」(ティガ、ダイナ、ガイア)に関しては当時13~16歳。
(前述の小学校から中学校までの時期。)

2001年以降のゼロ年代のウルトラシリーズも、もちろん未見。

では、特撮では何を見ていたかというとやはりゴジラ、平成ガメラといったあたり。
まあ、世間一般的より見てないくらいだとおもいます。

   ■

『ウルトラマンアート』での感想。

着ぐるみ(現物)を観て「化石」を連想した。
単純に視覚的な要素もあると思うが、そうではないコンテクストも
あるのではないかと思った。

ゴジラ・ウルトラマン・ガメラからの系譜でいえばエヴァンゲリオンになるとおもうのだけど
エヴァ自体ウルトラマンの死体のロボットという、大きな物語や対立構造がゾンビに
なったような話だとおもうんだけど、それがもはや化石のように歴史の層に埋もれているいて
それを掘り返している構造だからそう感じたのかもしれない。

だから、リアルタイムで見ていない自分でも
「古き良き時代」に対するノスタルジーを感じるのかもなー。

   ■

展示の中にあったキングジョーの着ぐるみを見てみると、
やはり「着ぐるみに金色を塗っただけ」の
チープな感じが、歳月の経過を経て、より一層感じられる。
そしてそのリアリティに胸がときめくことがある。

これは実物を見たときだけではなく、特撮映像を見ていても感じる要素だ。

たとえばウルトラマンのスーツのしわや、戦隊ロボットの動きのチグハグさなど、
自分たちとTVの向こうにいるクリエイターをつなぐディティールにハッとする。

これがすべてリアルなCGになってしまっては、突き放され、没頭できない。

そういう誠実でアナログな手仕事感が時代を超えていく。

   ■

同時代の特撮でいえば、やはり仮面ライダーと比較したいが
それを描き始めると長いことになるので今回は省略しよう。

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by takuji0808 | 2010-10-14 18:31 | 展覧会感想

Mr.YY個展・感想

大学の先輩山本雄基さんの個展の感想。

近しい関係過ぎるので逆にずけずけと書いてみようと思い立つ。

表面に対するフェチズムや、制作方法(自分のなかのルール設定)が、
まったくぶれないので、色や大きさや木製パネルの厚みを変えても
「山本雄基絵画」のバリエーションとして楽しんで観賞することができた。

(しかし鑑賞したところ、絵って難しいなあーというありきたりの
 感想しかでないのが正直なところなんだけど。
 ってもう言い訳を書き始めている・・・笑)

moreに続く↓
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More
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by takuji0808 | 2010-09-24 18:13 | 展覧会感想
ハイブリッドアート3を観て。

キーボーの作品に「爽快感」を感じていた。

それは単純に見た目の原色の使い方や、「やってやった感」がそう思わせて
いるのかなーと思っていたが、どうもそれだけではないのは感じていた。

それが何となく今回わかった気がする。

それはドラクエのサブタイトルをつけているのを見て納得した。

ラスボスを倒す為に、ストーリーには挫折、努力、友情のような盛り上がりが必要だ。
ラストより、その畳み掛ける瞬間が爽快感につながっていく。
(「シーン萌え」とでもいうのか。)

そういうストーリーの抑揚がキーボー自身の個人的なストーリーとキャラクターと被さって、
アートという仮想敵(ラスボス)を倒そうとしている風に見えるので

(そして別に倒せるかどうかは問題ではなく、
 観る人はそのハラハラ感を楽しんでいる気がする。)

だからそのプロセスに見る人は爽快感を感じるのではないかなあ。

なんて考えているけど、明日搬入でした。
いろんな人にプレッシャーをもらって、いいんだか悪いんだか。

がんばります・・・
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by takuji0808 | 2010-08-20 23:52 | 展覧会感想
「触れるー空・地・指」 3人展-秋元さなえ・太田理美・森本めぐみ-
テンポラリースペース
北区北16条西5丁目1-8(北大斜め通りの東側。隣はテーラー岩澤。)
3月23日(火)-4月4日(日) 11:00-19:00 月曜定休

森本さんのエネルギーの発し方はすごいなーと思う。
手を動かしたり、動いたりして物事を考えることを基本している人って
すごく信頼できる気がする。

展示としての軸が、単純な手数の多さ+もともと持っている資質でバックグラウンドが
しっかりしている無敵の森本さんを中心にしているのだけど、
それも制作する行為の重要性とリンクしていて興味深かった。
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by takuji0808 | 2010-03-25 10:29 | 展覧会感想

展覧会感想 02/21

・北海道教育大学岩見沢校 美術コース修了・卒業制作展 (岩見沢有明交流センター)

ある種特殊な空間で、所狭しと並べられた作品群は圧巻。
まあ、個別の作品の良しあしはあるけど。

デザイン、工芸はまあこんなもんかという感じ。
ファインアートでは太田博子のでっかい作品と、
丸山直文っぽいけど、フェミニンな要素がある桂下いずみの作品がダントツでした。

作品の深め方や手数の差がでたのかな?という感じ。

窓に仮設で壁を設置し絵画作品を置いていたりするので、自然光の影響が強い。

これでライティングに懲りすぎても見栄えが良くなるかどうかはまた別かも。

おそらく岩見沢駅活用では今年ナンバーワンだろう。
教育委員会や市の役員なんかのお偉いさんこそ見に来ないと意味がないかも。

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by takuji0808 | 2010-02-21 10:33 | 展覧会感想

展覧会感想 02/16

・北海道教育大学芸術課程美術コース 空間造形研究室第1回卒業制作展(札幌市資料館)

火曜日。時間講師の仕事が早く終わったので大通に寄る。
時計台での展示は岩見沢で展示をするだろうから、割愛。
空間造形というくらいだから、インスタレーション作品の引っ越しを予想し、見に行く。

しかし少ない人数のなかで2名がメンテナンスのため、鑑賞できず。
そのほかも微妙。

結局のところ、自分の頭に描いている完成のアバウトなイメージに近づけるだけで精いっぱいで、
バックグラウンドやリアリティ、技術的な裏打ちが無い。
だから出来上がった作品も安っぽい、美術風なかっこつけたもので
資料館の雰囲気に圧倒されてなんか悲しい。

なんか久しぶりに毒を吐いてしまったが、まあいいか。
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by takuji0808 | 2010-02-18 11:44 | 展覧会感想

展覧会感想 02/10

・山本先生 退官記念個展 と 修了制作展(時計台ギャラリー)
・武田浩志作品展(ト・オン・カフェ)

好きなことをやり続けるということのエネルギーが伝わってきて
どことなく自己嫌悪。

良い意味で自分本位な作家になりたい。

まあ、内側(自分)からは外側(他人)の戦いは見えないし、逆もしかり。

ここ最近とくに周りががんばっているのを見ると、クソーってなる。
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by takuji0808 | 2010-02-11 10:33 | 展覧会感想