日々の制作と生活を、思いつくままに描く。札幌在住、美術家。西田卓司のブログ。


by takuji0808

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<11月某日 アルル>

ゴーギャン「~♪」

ゴッホ「あ」

ゴーギャン「? どうした?」

ゴッホ「シャツに絵の具がついた」

ゴーギャン「ははっ」

ゴッホ「くそ、お気に入りだったのに」

ゴーギャン「それを言ったら、僕の服には必ずどこかに絵の具が付いているよ」

ゴッホ「それは僕もそうだけどさ このシャツはついていなかったんだ」

ゴーギャン「乾かないうちにもみ洗いするしかないんじゃないか」

ゴッホ「そうだな…」スタスタ ジャプジャプ

ゴーギャン「……」

ゴッホ「ああっ!…」

ゴーギャン「今度は何だあ?」

ゴッホ「絵の具が広がって、汚れが大きくなってしまった…」

ゴーギャン「…あきらめるんだね」

ゴッホ「くそぅ」

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by takuji0808 | 2010-12-27 11:11 | SS
<11月某日 アルル>

ゴーギャン「君の自画像は挑戦的だね」

ゴッホ「君だって描くだろ?」

ゴーギャン「まあそうだけど、ここまでじゃないな」

ゴッホ「そうだな」

ゴーギャン「人物も何枚か描いたほうがいいと思うよ」

ゴッホ「そうだろうな」

ゴーギャン「私はスケッチから描き起こすから大丈夫だが、君はモデルが必要な場合があるんじゃないかい?」

ゴッホ「だからこうやって自画像を描いているんじゃないか」

ゴーギャン「そうなのかい?」

ゴッホ「それより、意外と出費があったから少し抑えないといけないんだ モデル代を出すのは厳しいな」

ゴーギャン「そんなにか?」

ゴッホ「ああ、どうしよう…」

ゴーギャン「絵が売れればいいんだが… テオから連絡は?」

ゴッホ「まだない」

ゴーギャン「そうか、難しいな」

ゴッホ「伯父の遺産もあったけど、この家の準備資金でほとんど使ってしまってね
    改めて催促するのも、心苦しくてね」

ゴーギャン「わかった とりあえず、出費をできるだけ抑えよう」

ゴッホ「ああ」

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by takuji0808 | 2010-12-27 11:09 | SS
<10月某日 アルル>

ゴーギャン「またずいぶんと買うんだね」

ゴッホ「ん? 絵の具かい? ケチってもしょうがないだろう」

ゴーギャン「まあ、そうだけどね」

ゴッホ「最近、絵の具の減りが早くてね 特にイエロー系の」

ゴーギャン「君の画風ではしょうがないよ」

ゴッホ「水彩やインクデッサンだってやっているけど、絵の具の感触が好きなんだ」

ゴーギャン「わかるよ」

ゴッホ「よし、会計をしてくるよ」

……

ゴッホ「すまんゴーギャン、お金が足りなかった、貸してくれないか」

ゴーギャン「だから買いすぎだと言ったんだ、まったく」

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by takuji0808 | 2010-12-26 08:45 | SS
<10月某日 アルル>

ゴッホ「……」

ゴーギャン「……」

ゴッホ「……」

ゴーギャン「……」

ゴッホ「……」

ゴーギャン「……」

ゴッホ「……ふう」

ゴーギャン「……」

ゴッホ「……」

ゴーギャン「…ン …よし」ガタッ

ゴッホ「……」

ゴーギャン「…」コポコポ

ゴッホ「……」

ゴーギャン「おい、お茶を入れたけど呑むかい?」

ゴッホ「…ん…ちょっと待ってくれ、ここだけ……ぃよし」

ゴーギャン「ほれ」

ゴッホ「おお ありがとう」

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by takuji0808 | 2010-12-26 08:42 | SS
<10月23日 アルル>

ゴッホ「おーーーい!」

ゴーギャン「やあゴッホ!久しぶりだな!」

ゴッホ「ちょっと痩せたかい」

ゴーギャン「そうかな、君は黒くなったね」

ゴッホ「そうかもしれないね、外で描いてばかりいるから」

ゴーギャン「乗りっぱなしで腰が痛いよ 年かな」

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by takuji0808 | 2010-12-25 13:04 | SS
<行間>

親愛なるゴーギャンへ

芽吹く春の訪れ、心躍る季節がやってきた。
私は今、アルルの安いホテルの一室でこの手紙を書いている。

アルルは素晴らしいところだ!!
パリの喧騒に比べると、なんて穏やかで、鮮やかで、満ち足りていることか。

君の病気のことも聞いた。
アルルはこれから、よりすごしやすい季節がやってくるだろう。

良い家を見つけたんだ。制作するのには、十分な広さがある。
君のための椅子も用意したよ。余計なことかもしれないがね。

僕はここに来てからもう何枚もの絵を描いている。
カンバスを貼っても貼っても、足りないくらいだ。

また手紙を書くよ。

ヴィンセント・ファン・ゴッホ より

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by takuji0808 | 2010-12-25 12:45 | SS
ゴッホ「一緒に暮らそう」ゴーギャン「えっ」

<フランス パリ>

ゴーギャン「急に何を言うんだ?」

ゴッホ「いや、前々から考えていたんだ」

ゴッホ「共同アトリエで、いろんな画家と一緒に制作したいなーって」

ゴーギャン「ほお」

ゴッホ「ほら、家賃とか食費をシェアすれば、その分を絵の具代に回せるだろ?」

ゴーギャン「ふむ」

ゴッホ「なにより、周りに制作に真摯な人がいることで、モチベーションも上がると思うんだ」

ゴーギャン「それはそうだな」

ゴッホ「だから、どうだろうか…?」

ゴーギャン「うーん」

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by takuji0808 | 2010-12-24 19:02 | SS
「油展」という、元大学の展覧会のレセプションに顔をだす。
仕事の都合上、遅い時間にしか行けなかったためだ。

仕事としては、学生だということを差し引いても、
正直レベルが低いので特に言うことが無い感じ。

予備校の延長戦でしか思考していない(つまり何にも考えてない)のは
先輩(近くにいろいろ実践している人)がいないから仕方ない。

けど自分のイメージに近づこうと試行錯誤した痕跡っていうのは
絵にこびりついて、なぞの魅力を発揮する瞬間があって、その微妙な部分が
どうでもいい自意識のせいで阻害されているんじゃないかなあ、とか思う。

ここでいう自意識っていうのは、プライドとかオリジナリティとか、
「自分は少し、人とは違うんだ」や、「平凡な自分だけど一生懸命やりました」的な
アートセラピー(グルーミングアート)に近い感覚のことだと思うんだけど。

  ■

札幌ビエンナーレ結成100人記念パーティーとやらに出席。

元来の人見知り体質が首をもたげてウロウロしたり、トイレに行く機会をうかがっているほどでした。
まあ、美術という話す(コミュニケーションする)軸があるので、
全然苦痛ではないですけど、やっぱりこういうのは苦手かもしれないなあ、
目上の人が多かったっていうのはあるけどさー。

こういう場では逆に自意識を意識するとダメなんだなあ、ジレンマ。
だから作家としては落第点かもなあ。

肝心の内容は、概要の説明というか、札幌にはこんな資源があって、
それをアートでくくって面白くできます!っていう経済人に対するプレゼンだった。

まあ、材料は良質なので、あとはその調理方法はしっかり考えて行かなくては
いけないだろうなーという感想。

  ■

S-AIR連続講座Vol.3 『国際芸術祭研究』講座 にも参加。

芸術祭っていうより、それを基本とした市民運動という感じなんだな、やっぱり。

まあ、ヘルプばっかりで疲弊したら元も子もないけど、
とりあえず札幌ビエンナーレという目標とか仮想敵を自分たちで作り上げれば、
わかりやすく、作品を作っていくイメージができる気がするなあ。

そのためには、若い人は若い人でなんかやらないといけないのかなあーなんて思ったり。

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by takuji0808 | 2010-12-14 22:26 | つぶやき
藤本さんの作品を見ていて常々思っていたことがまとまったので書いておく。

大学生のころ、何かのグループ展があり、(それに大学の先輩が混じっていたりしていて)3~40歳代作家や更に上の世代が載った展覧会の図録などを、パラパラとめくると、藤本さんの作品のページで何か気になって、手が止まったことを思いだす。

何か自分との共通点を見いだしていたのもある。それは単純にホームセンター的要素、構築性などだと思う。そういうごくごく個人的なこと以外に、いわゆる〈時代性〉や〈世代〉として、共有できる感覚があって、それがなんなのかが言語化できなかったが、今回オープニングで話を聞いて腑にいったので書き記しておく。

それは簡単に言うとニヒリズムだ。生きていく意味や目的を失った中でも達観して生きていかなくてはいけない時代を自認している状態とでもいうか。自意識(近代的自我)と距離を置き、古来日本の神(的なもの、あるいは生命)に回帰することを逆説的に、自虐的に表現せざるを得ない立ち位置で作品に向かうことを感じた。しかし、もちろん丸山先生世代の彫刻に対する姿勢がしっかりあるし、純粋に何か(日本的な神、美術など)を信じているのはわかるし、モダニズムの潮流で言えば、「もの派」のアップデートした感覚も感じる。

ホームセンターで購入可能なもの(しかも非常にベタな素材)を、過去の記憶や個人的な事柄に「見立て」をする行為は、現代日本人の(しかもかなり若い)感覚を体現している気がする。


500メートル美術館も観たのでついでに感想。

個人的には小林麻美さん、國松希根太さんの作品が良かった。

美術の純粋な部分を信じて、やれる範囲で誠実に向き合っているのが、見ていて気持ちいい。
中途半端な自意識しかない市民や若手アーティスト作品と同列に公共の場に並べられるときに、自身の美学や信念を純粋な形で出しているかどうかは観られてしまうんだなあ。


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CAI02企画展 藤本和彦個展「ヨリシロ/洞窟のフォークロア」
会期 2010年12月11日(土)~12月24日(金)  日祝休
時間 13:00~23:00
会場 CAI02 raum1 札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB2(地下鉄大通駅1番出口)
オープニングレセプション 12月11日(土)19:30~22:00
主催:CAI現代芸術研究所
http://www.cai-net.jp/index.html
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by takuji0808 | 2010-12-12 12:18 | 展覧会感想
近況など
実際問題、日常なんてブログで垂れ流しても面白いわけないのは自認しているわけだけど、しかしそうそう「面白いこと」が起こるわけでもない。まあお笑い芸人のように日常の所作を編集して「面白いこと」を書くセンスがあればいいのだけど、そんなセンスがないから美術をやっているわけで。

なんて、これまたどうでもいいことを書いて場を濁しておりますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

最近は仕事の休みがなく展覧会にも行けず、
本や牡蠣を買ったり飲み会して憂さを晴らしている状態です。

「日本的想像力の未来~クール・ジャパノロジーの可能性」
「現代アートの舞台裏 5カ国6都市をめぐる7日間」
「批評のジェノサイズ―サブカルチャー最終審判」
「反アート入門」
「ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2」
「動物化するポストモダン オタクから見た日本社会」

動物化するポストモダンも読んだことあるけど文庫で出たので購入。

そんな感じの師走です。
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by takuji0808 | 2010-12-05 14:27 | つぶやき