日々の制作と生活を、思いつくままに描く。札幌在住、美術家。西田卓司のブログ。


by takuji0808

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# by takuji0808 | 2009-09-27 19:18
スイーツアートの感想。

この展覧会の情報を初めて見たとき、男権主義目線の、レイプファンタジー的な都合の良い女性像でしかないスイーツ・アートというくくり方にまず貧困な発想を感じた。

もちろん、女性たちを集めた展覧会・七夕やスイーツとのコラボなどの「大人の事情的な匂い」も感じつつ、まあコンセプトがない展示が一概に悪とも言い切れない社会の仕組みも知りつつ、まあオシャレな雰囲気になるのかなーなんて考えていた。

しかし、そのような甘い響きとは正反対の無骨さやドロドロした情念があるような作家のラインナップであった。そのため、どちらかというとそこで起こるギャップ、「なにがスイーツだかわからないけどこの表現をしたいんだ!」というような作家個人の戦い・311以後の物語を期待していた気がする。

また、「スイーツアート」という言葉を勝手に深読みするならば、そのようなオシャレでカラフルで上滑り感のあるようなイメージは、ニアイコール「札幌アート」という本質をついている気もして、どことなく可能性も感じてた。

  ◆

で、みてからの感想。

前述のようなスイーツアートというコンセプト、テーマでいえば、同時期にART-BOXで行われていた武田さんの展示のほうがふさわしい気がする。(あるいは斉藤周さん、山本雄基さんなどの絵画作品など。今回の展示でいえば久野さんの絵画かな。)

つまりカラフルな色彩感覚や、アクリル絵の具に代表されるペットリした塗り方、透明層、ゼリーっぽい質感など。

簡単にいえばデパ地下のスイーツとコラボレーションできる、パブリックな場所の華やかなイメージと親和性の高い作品かどうか、だとおもうんだけど。きっとまだまだそういう作家はいると思うなあ。


なんでそういう作家を挙げたかというと、おじさん連中のイメージする「スイーツ」というテーマのコンセプトをきっちりディレンクションする、一つの例として有りだと思ったからだ。

(まあ実際やったらぱっと見、「草食(装飾)男子系アート」彦星展といった展示になってしまうと思うのでそれもまた難しい問題が起こるとおもうけど、そういう逆説的なやりかたもありかな、なんて思ったりする。)

  ◆

このディレクションの、アートへの理解も愛情も全くない酷さや、そういう状況でしか札幌駅で作品を出せない作家の悲劇にただただ悲しくなる。

もう一つの悲劇として、例えばこの展覧会テーマに対してアンチテーゼとして、つまり男尊女卑的な社会の仕組みに対して作品で答えを出せるかどうか?というのは無理に近いことが挙げられる。もはや脆弱なテーマに成り下がった思想に対抗してもたいして意味はない。田舎の寄合でお偉いさんに噛み付くようなものだ。

川上さんのようにあくまでも作家として、今までの作品の流れや個人的な社会への感覚を頼りに骨太な作品を作るのが結局一番よく見える、というのは正論でぐうの音もでない。

そう考えると、同じく金属での立体表現をしていた(しかも隣にあった)松田さん、吉成さんの作品が弱いし、作家として駄目すぎた。というか、女性で立体で金属やっているという補正がかかって過大評価されている気がする。

そう考えると、ネットスラングとしての「スイーツ(笑)」に近い、盲目的な甘い表現がはびこっているのではないかという「スイーツ感アートという札幌の現実」を逆に証明したようでこれもまた悲しい。

作家一人一人の講評をしたいわけではないのでこんなところで。
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# by takuji0808 | 2007-08-03 21:11 | 展覧会感想