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日々の制作と生活を、思いつくままに描く。札幌在住、美術家。西田卓司のブログ。


by takuji0808

森本めぐみ・鈴木悠哉個展、感想

森本めぐみ 個展「布団山/Hollow mountains」
salon cojica

森本さんの作品は、観ていてどこか消化しきれない部分があって、
そういう混沌としているのはなんでなんだろう、とずっと思っていた。

今回は特に小作品を「ジオラマ絵画日記」のように展示しており、その傾向が強かったと思う。

面白いのは、小作品にこそ、たくさんの要素が詰め込まれているということだ。視点の構造が複雑だったり、様々に見立て感情移入したモチーフが入っていたりする。インスタレーションなどの他の作品や大きい作品はもっとシンプルでわかりやすい。

森本さんの作品を構成する要素、興味のベクトルはたくさんある(ありすぎるくらい)なのだが、根本的にあるのは「思い入れできる」才能だなあ、と思う。言葉や、日常の物事、絵の具、他人に対しての愛着・信じている感じ。


鈴木悠哉 個展 ”庭と、その半分。せかい、その他。”
CAI02

線と強さと、日常に潜むささやかな不思議さを再構築したような展示。

実は毒々しい部分(アイロニー・シニカル・批評性)もあるはずなのに、すべてドローイング(的な概念)に収束していく。 それはオシャレさで隠している、とかではなく世代特有の距離感だと思う。そういう距離を保ちつつ強い表現になることは、本当に難しいのにそれができているので、うおおっとなる。


そんなこんなで刺激をもらいつつ、制作に戻る。
しかし、ちまちまとしか進まないし、丸ひとつ綺麗に描けない自分はなんて駄目なんだ、とヘコんだり。

問題は他者ではなく、自分あるのだから、手を動かす以外の解決策はないんだ。
(現実逃避おしまい)

森本めぐみ・鈴木悠哉個展、感想_c0211701_16542540.jpg

by takuji0808 | 2012-01-20 00:37