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日々の制作と生活を、思いつくままに描く。札幌在住、美術家。西田卓司のブログ。


by takuji0808

箱椅子の作り方

箱椅子。(hakoisu)

美術作品を制作する際に、箱椅子があれば非情にやりやすいです。
美術系の大学には必ずと言っていいほどあり、在学中お世話になったひとは多いでしょう。

自分も端材で箱椅子を作って持っているのですが、同じ大学の先輩後輩のアトリエからの注文ということでまじめに制作してみました。箱椅子の作り方、なんて探しても無いので残しておきます。

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# by takuji0808 | 2012-11-20 22:07 | 制作
若さ故の衝動や、分かりやすい一発芸のような作風を作家に求めてはいけないーーー…

なぜなら作家は制作を続けていくために「若さゆえの甘え」や「居心地の良い場所」を超えて、作品を進化させたり、通すべき筋(=一生のテーマ)を模索し、世間の求めるものを迎合せず、天の邪鬼に生きていくことで、アーティストたるべき道を獲得していくのだから。

石倉さんの作品を「若い女の子の悩み」や「ネガティブな現代人」という形にはめ込み、その文脈で作品を読み解くことは、作品の前で思考停止しているのと同じことだ。

鑑賞者が共感するべきは、「斜に構えているが勇気の無さに嘆いている現状そのもの」であって、それが一番のリアリティだと自分は感じる。

それは言い換えると、インディーズ(あるいはローカルなコミュニティ)でしか通用しない荒削りを超えて、メジャーな文脈に通用する分かりやすさと強さをどう獲得していくかということだろう。そして作家もそれを当然わかっていて、次のフェーズに移行しようと藻掻いている痕跡が見え隠れする。

絵画作品では、以前近代美術館で行われた「札幌ビエンナーレ・プレ企画2011 美術館が消える9日間」で展示された「ポジティブ君」を再度展示していたのだが、細部の描き込みを加えたことによって余計なノイズな減り、以前よりスッとイメージが入ってきた。ここら辺の誠実さは、作家を信用することができる大切な要素だ。

コンセプチュアルな小さめの作品は、身近なリアルをユーモラスな視点で読み替える脱力系の作品だけど、そこかしらに毒が仕込んであるような印象だった。

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石倉 美萌菜 個展
「さぁ この先どうしよっか」

会期:10.6.sat ー 10.27.sat 日曜祝日休み
会場:CAI02
住所:札幌市中央区大通西5丁目昭和ビルB2
(地下鉄大通駅西1番出口直結/昭和ビルB1の飲食街一番南側の階段、自動扉を出てB2への階段があります。そこからしかB2へは降りる事ができません)
TEL:011-802-6438
主催:CAI現代芸術研究所/CAI開廊5周年企画 第2弾
http://www.cai-net.jp/
# by takuji0808 | 2012-10-28 23:38 | 展覧会感想

こじかとエヌ3

仕事終わりに大学の先輩や後輩の共同アトリエのオープニング兼トークに向かう。
札幌駅から歩いて、途中で武田さんの個展へ。

芸森でやっている「パラレルワールド冒険鐔」の作品に比べると、実験色の強い作品が並ぶ。
とくにエアブラシを多用した黒の効果が印象的で、悪い言い方・見方では「汚れ」という風にもとれる作品だった。そのギリギリの危うい美しさは、武田さんの推し色であるパステルカラーな蛍光色にフィットする黒を模索しているような印象がある。

立体は、寄せ集めのようなジャンクさから、構成の上手さと木材の選択などを経て、ある種の品位さえ獲得しているような佇まいになってきていて面白い。コラージュ的でありながら、コラージュ特有の泥臭さが無い。

考えてみれば、武田さんの平面作品も、同じように「ダサかっこいい」を起点として、超絶技巧を駆使して違う次元に辿り着いている。ポートレートのシリーズと、神殿の集合体というのも、表現としてニアイコールな関係であり、その相違も面白い。そう考えると、武田さんの興味はとことん「自分」と「技術」の2輪なんだろうな。


なんてことを考えつつ早足で会場へ。


「N3」というペインタリーな作家が集まったアトリエへ。
油絵の具臭くて、まさに「油研」っぽい匂いでノスタルジックな気持ちに。

しかしこんなに汚して大丈夫だべか…と勝手に心配。

アートツーリストの東方さんと、太田さんのドクメンタ感想は途中から聞いた形だった。
たのしそーだなあ…(と、おばかな感想)
駆け足で全部紹介できたこと自体、すごいかもしれません。

久しぶりに人と話した感じで、ほっとして、お酒の力も相まって冷たい風の中ホカホカ帰宅した。

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武田浩志 個展「Utopia MoMo - Iro 7」

[日程] 2012.10.13(土) - 11.3(土)
[Reception Party] 2012.10.23(TUE) 19:00 start (作家誕生日)
[場所]salon cojica(札幌市中央区北3条西2丁目中西ビル1階)
# by takuji0808 | 2012-10-22 23:27 | 展覧会感想
仕事の合間に芸術の森で行われている「パラレルワールド冒険譚」へ。

年に1度札幌の現代美術作家を集めて行われる企画展という意味合いが強いので、展示のテーマはとってつけたようなものであるので、そこに関しては言及しない。個々の作家や作品は見応えがあり、それを楽しむ展覧会と思えばいいだろう。

ちょうど小学生100人くらいの鑑賞とぶつかって、せわしない中での鑑賞となった。

紅露はるかさんの作品は、4プラで定期的な発表をしているという強みか、単純な絵の美しさや完成度がグンと増していた。

浅井憲一さんのキューブキャラクター作品が、今回小学生が地べたに座って作品の感想なんかを書いている瞬間に立ち会っているのを見ると、その状況も含めて面白かった。

ほかにも気になる作品はたくさんあり、見応えとトリップ感の強い展覧会だった。

しかし世界、ワールドという割には映像作家がいなかったり、「浮く」「構造物」「コラージュ生物」くらいの画一的なファンタジーの世界観を見せつけられても、現実逃避か日常の慰みにしかならなくて、他のジャンルの方がよっぽど世界と自分、ファンタジーな世界を描いているような気もする。もっと言えば、単に可視化することに終始していて、新しい想像力が感じられない気もする。しかしこの意見はあくまでそういう世界も描けない自分のヤッカミかもしれません。(笑)

まあ、ファンタジーな世界観は奇抜すぎると共感できないし、エログロになっちゃうからこのくらいが口当たりがよいのかもしれないなあ。
# by takuji0808 | 2012-10-21 00:09 | 展覧会感想

近況(生きています)

アートと仕事という大それたテーマを話した罰なのか、あるいはフラフラとしていた罰なのかは分からないけれど、派遣のコールセンターと時間講師でがっつり週7働いている状態です。

制作はともかく、ちょっとした用事を済ませたり展覧会を見ることもできないのって社会人になって初めてかもしれないが、皆これが普通なんだろうか。よくわからないが、ともかくお金を貯めたいな。(本気でここ数ヶ月やばい状態だった)

合間に芸森やコジカはいったので、そのうち感想を書きます。(CAI02にもいかないと…)

おかげさまで2年間守っていたニコチンも復活してしまいました。

うーん、金があると時間が無く、時間があると金が無く、金で時間を買えるほど稼ぐこともなく…

でかい作品を作りたいなあ。
# by takuji0808 | 2012-10-13 23:27 | つぶやき